犬のせいにすんな!
- 2003/09/19 01:50
あるお宅に、柴犬の親子がいました。母は4才、娘は2才で母犬は飼い主さんの大事な愛娘です。
2頭はお庭で自由に放されていました。が、ある日娘は脱走してしまいます。(シーズン中だったよう(ーー;)
それから何度も脱走するようになり、娘は繋がれる事になりました。
ここで仲が良かった親子に、亀裂が入ります。1人だけ自由になっている親が気に入らない娘は、喧嘩をしかけました。すると母犬も対抗するものの力では娘が上でした。慌てて駆け付けた飼い主さんは、やられている母犬を助け抱き上げます。
何度も喧嘩する度に「かわいそうに、親に噛み付くなんて、なんという子なの」と母犬をかわいがり、娘は悪い犬だとレッテルを張られました。
しかし、実際飼い主さんに従順で一生懸命言う事を聞こうとしているのは、娘の方だったのです。
母犬は飼い主がとても可愛がって(甘やかして)育てた為、わがままな子になっていました。
飼い主の順番は かわいい母>犬喧嘩をしかける娘 です。
娘の順番は 力の強い私>弱い母犬 です。
母犬の順番は 飼い主に可愛がられている私≧強い娘 「私のほうが有利」 なのでしょう。
ここで問題なのは喧嘩をする事ではなく、原因を作っている飼い主の対応です。
群れでの秩序を守らなければならない飼い主が、上下関係を無視し乱しています。
それゆえ弱い母犬は娘に降参する事なく、わがままに振る舞います。
上位の娘はどんなに飼い主に尽くしても、愛されている実感がありません。焼きもち、妬み、恨み・・・。
母犬が気に入らないとなるわけです。
相談を受けた時、2頭一緒におやつを食べる事が出来たので、何とかなると思いレッスンを勧めました。
冬には室内に入れたい、とのことなので早急に取り組む必要があります。
レッスンではまず犬への対応を変えてもらう事。犬に制止が聞くように、きちんと服従訓練をすること。飼い主がけんか止め、しっかり叱ること。(ひどい喧嘩で恐いんですって。本気の喧嘩はあんなもんです)などを伝えました。
しかし今日お断りの電話が入ったのです。理由は
「ブリーダーさんに犬種の性格上、直らないと言われたので・・・」
と言うのです。『ふざけんじゃないよ!!!!!!!』と思いました。
そもそもけんかの原因を自分が作っておいて、犬のせいにするんじゃない!!!!
しかも人にいわれたから・・・・自分で考えましょうよ!
ブリーダーも犬を売り、交配もさせ、2頭飼う事に反対もしないで、「柴だからしょうがないよ」じゃ無責任じゃないかい?この可哀想な子達は、どうなるのさ!
犬の問題行動のほとんどが、犬ではなく飼い主が原因です。
犬種の特徴なんて承知の上でしつけをしなければならないのです。ダックスやビーグルは吠えない様に、ボーダーやコ−ギーは車や自転車を追い掛けない様に、ブルテリアや土佐犬などの闘犬は人や犬を襲わないように。
だって自分で選んで飼ったんでしょ?その犬種が良くて飼ったんだから、メリットもデメリット受け止めてあげなきゃ!飼ったからにはしつけは飼い主の責任です。
責任を放棄して、犬が悪いと捨てる飼い主がたっっっっっっっっっくさんいます。犬のせいにする飼い主は許せません。
このままで、どう対処していくのでしょう?何も改善されなければ犬が可哀想です。
以前、娘を親戚に譲ろうとしたそうです。断られたそうですが・・・。あんなに良い子なのに・・・。
人間って勝手です・・・・・。